どきどき従姉弟ライフ 〜漁船帰還編〜

July,18,2004


「あー、えっと…ただいま」
「……」
「…イトコいないのか?」
「……」
「なんだいるんじゃねーか…返事ぐらいしてくれよ」
「……」
「…怒ってるのか?」
「……」
「あー、その…心配かけてすまねぇ」
「…ふん、誰が心配など…」
「……」
「何かあるとすぐ私に何も言わずに出ていってしまう奴なぞ、同居人とも家族とも思ってないよ私は」
「……」
「……」
「…すまねぇ」
「全くキミという奴は…」
「……」
「あんまり、心配ばかり、かけるな…」
「!!!イ、イトコ、お前泣いt」
「…気のせいだ」

 

「そ、そうか…」
「そうだ」
「……」
「……」
「…すまねぇ」
「いや、顔を見て安心したら気が抜けてしまってな…」
「……」
「……」
「本当にすまねぇ…」
「もういい。ただしこの借りはきっちり返して貰うぞ拳児君」
「お、おう」
「…疲れたろう。風呂でも浴びてこい」
「あぁ」

おしまい。


…いや、これはマガジン誌上でまだ播磨が漁船に乗ったばかりの頃書いた話なわけで。
当時はあんなあっさりとすぐに陸に戻ってくるとは思わなかったわけで。
だから何か播磨が危険な目に遭って命からがら帰ってくる、的なイメージで書いた話なんで
本編での播磨帰還に対する絃子さんのリアクションとして読むとなんだか全然らしくない感じになっちゃってるわけで。

でもまぁ実際、たとえ『ペット』でも急にいなくなったら口ではどう言ってもフツーは心配するわけで(w
案外そう的外れでもないのかな、とも思ったり。さすがに播磨の前で泣きはしないだろうけど。

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