The other side of ♭08

July,26,2004


「あっ、播磨」
「ん?…なんだ周防か」
「悪ぃこないだのハンカチ今持ってねぇんだ、また今度で良いか?」
「???」
「いや神社でシャーペンくくりつけたあれ」
「あーあれか、別に急がねぇからいつでも構わn…ってだからあれは俺じゃなくて」
「…いつまでシラを切る気なんだ、神サマ?(w」
「ちっ…」
「お陰でちゃんと最後まで試験受けられたよ…ありがとよ、神サマ」
「なーにいいってことよ、お互い様だしな」
「お互い様?」
「学校来なよって言ってくれたじゃねーか…俺がいなくなったことなんか
誰も気にしてねぇと思ってたから正直あー言ってくれたのは有難かったぜ」
「…そーいうもんか?」
「そーいうもんなんだよ…荷物重そうだな、持ってやるよ」
「いやいいよ別にコレぐらい」
「まぁそう言うなって…それに俺のハンカチ家に置いてあるんだろ?返してもらいに行くついでだよついで」
「お前今さっき急がないって自分で言ったばっかじゃねーかよ…」
「気にすんな気にすんな…えーっと、どっちに曲がれば良いんだ?」
「おいちょっと待てよ播磨…左だ左」

 

「それにしても大荷物だな」
「あー…誕生会の準備とかだからな」
「…誰の誕生日なんだ?」
「いや、あたしのなんだけどね…」
「お前誕生日なのか。じゃあ何かやんねぇとな」
「いいって播磨、そこまでしてくれなくても」
「…そっか、そうだな。邪魔しちゃいけねぇや」
「ん?」
「好きな人も呼ぶんだろ当然?」
「!!!お前どうしてそれを…ってそっか、お前神サマだったから全部聞いてるのか…」
「…安心しろ、誰にも喋らねぇよ」
「ありがとよ…でも先輩は東京の大学行っててまだこっちに帰ってきてねぇから」
「そうか…まぁ頑張れよ」
「あぁ」
「…オレも好きな娘のためにこの高校入ったんだよ実は」
「へー、そうだったのか」
「二年になってやっと同じクラスになれて、いろいろ必死に
アプローチとかもしてるんだけどなかなかうまくいかねぇんだよなこれが…」
「そうなのか?結構いい感じに見えたけど」
「え…そ、そうか?いい感じか?」
「あぁ、だから播磨も頑張れよ…そうだ、お前も誕生会出るか?」
「へ?」
「いや、あいつも呼んであるからさ」
「あ、そ、そーいうことか…そうだよな、お前らいつも仲良し四人ぐm…!?」(←脳裏に鬼の形相の沢近)
「…ん?どうした播磨?」
「わ、わりぃ、急用を思い出したんでオレ帰るわ。ハンカチやっぱ今度でいいし。じゃあな!」
「お、おい播磨…ったく何なんだよ」

Fin。


よりによってあの『美琴の誕生日』を鉛筆話にするとは何事かと縦笛な方々からお叱りを受けそうな問題作(w

…いや、別にコレ「縦笛じゃなくて鉛筆な美琴の誕生日話を書こう」と思って書いたわけじゃなくて
天満のために矢神に入った播磨にとって"あの人のいる大学に行きたいんです"って美琴の願いは
何か感じるところがあったんじゃないか、だからシャーペンくくりつけてあげたんじゃないかって部分があって
その辺お互い励ましあうみたいな話を書きたかっただけなんだけど、書いてみたらなんか妙にいい雰囲気になってしまったというか。

でもこの後の二人(特に美琴)を待ってる運命を考えると、実は意外と切ない話のような気もしてくる今日この頃…

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