Call my name

February,23,2004


「……」
「どうだい、妹さん」
「相談相手…ヒロインの妹にしたんですね…」
「あぁ、なんとなくそれが良さそうな気がしてな。将来の身内な訳だし」
「あ…そういうことですか…確かにそうですね…」
「…で、どうだい?」
「え、あ、感想ですね…私は結構面白いと思いますけど…続きが気になるっていうか…」
「そうだな、この後無事に主人公とヒロインが結ばれるかどうか…」
「あ、いや、それもですけど、この妹さんの方も…」
「?ヒロインの妹?…あぁ、そうだな。誰かいい相手あてがってやんねーと
こんないい娘さんなのに男っ気ナシじゃ不自然っつーか可哀そ」
「あ、いや、そうじゃなくて…この妹さんはきっと主人公のことがすk…あ」
「???…妹さん?」
「い、いえ、なんでもないです…」
「なんでもないってこたぁないだろう妹さん…オレは忌憚無きイケンって奴を聞かせて欲しいんだ。
逃げも隠れもしねぇ。思ったことは何でもスッパリ言っちゃってくれ」
「………はい」
「このヒロインの妹は主人公のことがどうなんだ?」
「え…あの…その…だから…この妹さんは…その…主人公のことが…」
「主人公のことが?」

 

「………『妹さん』じゃなくてちゃんと名前で呼んで欲しいじゃないかなあって」
「!!!なるほど!そうだよな、将来義理の兄妹になるってのにこんな他人行儀なのはいけねぇよなぁ。
全くなんでこんな単純なことに気付かなかったんだほとほと自分のバカさ加減がイヤになるぜ」
「あの…」
「いや、本当に有難う妹さん。これでいい漫画が描けそうだぜ」
「あ、はい…」
「そうと決まれば善は急げだ。早速家に帰って描き直さねえと…じゃあな、妹さん!」
「あ…行っちゃった………あれ…慌てて戻ってくる…」
「いやいやオレとしたことが本当に済まねぇ八雲ちゃん」
「!!!」
「考えてみりゃオレ自身いろいろ相談に乗ってもらってるのに他人行儀な物言いしてたもんだ…」
「あ、いえ、別にそんなつもりじゃ…わざわざそれを言いに?」
「……」
「……」
「いや、勘定忘れたから」

おしまい。


お馴染み八雲の名前ネタ。

まぁこの"妹さん"に限らず"ヒゲ"とか"お嬢"とか、あとかつてあったであろう
『イトコねーちゃん』から『イトコ』に、あるいは『ミコちゃん』から『周防』に変わった時だとか
呼び名ネタってのはそれだけでSS書けちゃうくらいラブコメにおいて重要なファクターなわけで。

…なんか肝心の播磨が全然その辺わかってないっぽいけど(w

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